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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))
【一般演題】
子宮頸部悪性腫瘍2 集学的治療により寛解状態を得られた子宮頸癌4a期の一例
近藤 泉, 光山 聡, 大島 乃里子, 沼 美雪, 政井 哲兵, 小澤 克典, 岩原 由樹, 伊田 勉, 小池 和範, 桑江 千鶴子
都立府中病院産婦人科
今回我々は集学的治療によって現在寛解状態を得られている子宮頸部扁平上皮癌臨床進行期分類4a期の一例を経験したので報告する.症例は34才女性.1経妊1経産.性交時不正性器出血を主訴に近医を受診し,高度の貧血(Hb1.6g/dl)を認め,MAP輸血を施行された.子宮頚部生検にて子宮頸部扁平上皮癌の組織診断で平成17年8月9日当院に紹介され当日入院となった.入院時の腫瘍マーカーはSCC78.20ng/ml,CEA13.7ng/mlであった.入院時大量の出血を認めたため翌8月10日止血目的に緊急動注化学療法(PMP療法=CDDP+MMC+PEP)を施行し,数日で止血が得られた.触診上癌は左骨盤壁まで達しており,また腟の下1/3まで達していた.膀胱鏡にて浸潤が明らかであり子宮頸癌4a期と診断した.9月14日に2回目の動注化学療法を施行し,治療前に比してMRI画像上78%の縮小を得られた.10月18日前方骨盤除臓術(超広汎性子宮全摘術+腟全摘術+膀胱全摘術)および傍大動脈リンパ節郭清,尿管皮膚瘻増設術を施行した.摘出標本は子宮頸部に4×4×3cmの癌腫瘤,非角化型扁平上皮癌であった.術後腫瘍マーカー(SCC,CEA)は陰性化した.11月30日よりPMP療法1コースを施行.患者が多忙を理由に内服抗癌剤を希望したため,1月5日よりフルツロン1200mg/dayを開始した.H18年2月SCCが急上昇し,造影CTにて直腸局所再発を認めた.5月8日に超低位前方切除術を施行したところ,腫瘍マーカーは再度陰性となった.今後,PMP療法予定である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3)
310-310, 2006
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