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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
子宮体部悪性腫瘍1
当院における漿液性子宮内膜癌


川口 ミワ, 新井 正秀, 新井 努, 二井 瑞穂, 今井 愛, 角田 新平, 上坊 敏子, 海野 信也
北里大学医学部産婦人科


 〔目的〕漿液性腺癌は主として卵巣・卵管に発生するが,子宮内膜にも発生することがある.その頻度は内膜癌全体の1.1〜19.5%とされ,比較的稀な腫瘍である.組織学的には,「乳頭状に入り組んだ構造と細胞の芽出を特徴とする腺癌で,しばしば砂粒小体を伴う」と定義されている.特に筋層浸潤のない症例でも,しばしば子宮外に進展していることは本症の治療においては大きな問題となっている.そこで,今回,我々は漿液性腺癌症例の臨床症状や治療法などについて検討をおこなった.〔対象〕1971年〜2004年に当院で治療した子宮内膜漿液性腺癌24例を対象とした.〔結果〕この間に経験した子宮体癌は880例で,漿液性腺癌の頻度は2.7%であった.年齢は48歳〜77歳に分布し平均年齢は62.8歳と,一般の子宮体癌より高齢であった.付属器への転移を4例(16.7%)に,リンパ節への転移を4例(16.7%)に認め,I期4例(16.7%),II期4例(16.7%),III期13例(54.1%),IV期3例(12.5%)と進行例が多かった.重複癌の症例が5例あり,卵巣癌2例,乳癌2例,胆管癌であった.筋層浸潤1/3以下の症例が22例中8例(36.4%)と多かったにもかかわらず,腹腔細胞診は24例中18例(66.7%)で陽性であった.現在までに11例が死亡している.〔結論〕漿液性腺癌は,類内膜腺癌より進行例が多く,予後は不良である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 312-312, 2006


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