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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))
【一般演題】
子宮体部悪性腫瘍1 子宮鏡により子宮内膜癌を早期診断し治療に成功した2例
松見 泰宇, 中林 稔, 大貫 裕子, 堀谷 まどか, 西井 修
帝京大学医学部附属溝口病院産婦人科
当科では不妊症,不正出血,細胞診異常などのスクリーニング目的に子宮鏡外来を開設し積極的に子宮鏡検査を施行している.今回,子宮鏡を施行することにより子宮内膜癌を早期診断し治療に成功した2例を経験したので報告する.症例1は39才,近医での子宮内膜細胞診にてclassIIIaを認めたため,精査目的に当科紹介された.細胞診施行し,classIIIaのため経過観察されていたが,子宮鏡にて異型血管を伴う乳頭状に増殖した子宮内膜の肥厚を認めたため,子宮内膜組織診を施行した.endometrioid carcinoma G1との病理診断に基づき,準広汎子宮全摘術,骨盤リンパ節郭清術施行.術後診断はendometrioid adenocarcinoma G1,pT2aN0M0で,化学療法施行した.外来にて経過観察中である.症例2は37才,続発性不妊.近医での子宮卵管造影検査にて左卵管閉塞を認めたため,子宮鏡下選択的卵管通色素検査を施行する目的に当科紹介.近医での超音波断層法では径7cmの子宮筋腫を認めるも子宮内隆起病変を示唆する所見は認められていなかった.子宮鏡にて径6mmの子宮内膜ポリープと考えられる子宮内隆起病変を認めたため,診断的腹腔鏡及び子宮鏡下内膜ポリープ切除術施行.病理診断はendometrioid carcinoma G1であった.6ヶ月間のMPA療法施行後の生検で局所に異型腺管を認めるのみとなり(病理診断:atypical endometrial hyperplasia,complex),腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術施行後,クロミッド周期にて妊娠成立.妊娠37週3日,選択的帝王切開術にて2380gの男児を分娩した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3)
312-312, 2006
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