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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
子宮体部悪性腫瘍1
ガンマナイフが有効であった子宮体癌脳転移の2例


小曽根 浩一1), 河野 圭子1), 高野 克己1), 新井 ゆう子1), 岡根 真人1), 西田 正人1), 山本 昌昭2)
国立病院機構霞ヶ浦医療センター産婦人科1), 水戸ガンマハウス脳神経外科2)


 近年,婦人科悪性腫瘍の手術および化学療法の進歩により以前ならば治療不可能な症例でも治療可能となってきた.しかし脳転移に関しては,血液脳関門のために通常化学療法を施行しても抑制することはできないとされている.今回我々は,子宮体癌4期で化学療法中に脳転移を来たし,ガンマナイフ治療を施行したところ有効であった症例を2例経験したので報告する.1例目は52歳.肺転移で発見された子宮体癌4期症例.TJ療法を施行し,奏功したが,突然の頭痛と嘔気を契機に脳転移が発見された.頭部MRIでは,確認できる範囲で72個の散在性の転移を認めた.これに対し,ガンマナイフ治療を施行したところ,一様に腫瘍が縮小し,症状も一時は軽快した.2例目は57歳.呼吸困難と胸水および肝転移で発見された子宮体癌4期症例.TJ療法を施行し,奏功していた.しかし,突然の眩暈と高血圧で,右小脳橋角部を中心とする脳転移が発見された.そこで,ガンマナイフ治療を施行したところ症状が軽快しただけでなく画像所見も著しく改善し,その後化学療法を再開することができた.以上2症例でガンマナイフ治療が施行され,2例とも照射直後は全身状態の改善と画像上腫瘍の縮小を認めた.しかしながら,その後は2例ともに再発してしまい,予後改善には至らなかった.婦人科悪性腫瘍における脳転移は早期に発見して小さい病巣で数少ない時期にガンマナイフ治療が施行されれば,予後はより良くなる可能性がある.進行子宮体癌を治療する際には,脳転移を考慮に入れた病巣検索が必要ではないかと考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 313-313, 2006


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