  
			  
			  
			  
			  
			  
			  
			  
			  
			 
			
  
		   | 
		  
				
				 << 学会誌へ戻る 
				<< 前のページへ戻る
	
  
		
		第112回学術集会(平成18年10月29日(日))
  
		【一般演題】 
		子宮体部悪性腫瘍3 タモキシフェン服用後に発症した子宮体部癌肉腫の1例
  
		渡部 真梨1), 小林 陽一1), 矢作 奈美子1), 和田 康菜1), 奥田 順子1), 大熊 克彰1), 鈴木 直1), 木口 一成1), 石塚 文平1), 小池 淳樹2), 田所 衛2) 
		聖マリアンナ医科大学産婦人科1), 聖マリアンナ医科大学病理2)
  
		  
		 乳癌術後の治療薬として汎用されているタモキシフェン(TAM)は抗エストロゲン製剤であるが,長期投与により子宮体癌を有意に増加させる事が知られている.今回我々は乳癌術後にTAMを8年間内服し,内服終了後約5年で子宮体部癌肉腫を発症した症例を経験したので報告する.症例は88歳,2経妊2経産,閉経年齢は不明.75歳時に左乳癌にて左乳房切除術後,TAMを8年間内服していた.平成17年11月より不正出血出現し,平成18年1月当科受診.経膣超音波上子宮内腔は充実性腫瘍で充満しており,腫瘍マーカーはCA125は軽度上昇,LDHは527IU/lと有意な上昇を認めた.また,内膜細胞診にて横紋筋肉腫の成分を含んだ癌肉腫が疑われ,内膜組織診では横紋筋肉腫と診断された.MRI,CT上リンパ節および他臓器転移は認めなかった.十分なインフォームドコンセントの元,本人・家族の希望により単純子宮全摘および両側付属器切除術を施行した.術後病理組織診断は子宮体部癌肉腫1c期,Hetorologous typeで,大部分が横紋筋肉腫の成分であった.年齢等を考慮し,術後追加治療は行なわず外来経過観察となったが,手術後約1ヵ月で多発肺転移をきたした.TAM投与後に発症する子宮体部癌肉腫の肉腫成分には予後不良な横紋筋肉腫が多いとの報告もあり,TAM内服の既往がある場合には十分なフォローアップが必要であると思われる.
 
  
		日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3)
		316-316, 2006 
		 
					 |