|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第112回学術集会(平成18年10月29日(日))
【一般演題】
卵巣悪性腫瘍1 卵巣明細胞腺癌手術後に胃転移をきたした一例
田中 聡子, 稲葉 不知之, 山崎 龍王, 亀森 哲, 香坂 信明, 朱 坤, 坂本 尚徳, 太田 順子, 深澤 一雄, 稲葉 憲之
獨協医科大学産婦人科
消化器癌の卵巣転移であるKrukenberg腫瘍は,全卵巣癌中17.8%と比較的頻度は高いが,卵巣癌からの胃転移になると極めて稀である.今回我々は卵巣癌術後に胃転移をきたした症例を経験したので,文献的考察を加え報告する.症例は55歳 2経妊1経産婦.平成6年 45歳時に急性虫垂炎にて手術施行し,その際,右卵巣嚢腫を認め,右卵巣切除術施行.平成17年下腹部痛あり,近医受診した際,骨盤内に巨大腫瘍を認めた.画像所見および,CA125高値示していたこと等から,卵巣悪性腫瘍を疑い,4月15日開腹手術となった.術中迅速病理診断にてclear cell adenocarcinomaであったため,卵巣悪性腫瘍の標準術式を施行.術後病理診断はclear cell adenocarcinoma stage Iaであった.腫瘍径と組織型より,追加の化学療法が必要であると考えられたが,本人の希望から施行せず,その後は外来にて定期経過観察されていた.平成18年5月,1ヶ月間でHb 13.5g/dlから5.6g/dlへ,貧血の進行を認め,5月8日精査加療目的に当院当科入院.腹部CT,腹部超音波検査にて,上腹部に径6cm大の腫瘍あり,緊急で上部消化管内視鏡検査施行したところ,胃大弯側に易出血性の腫瘍性病変を認めた.5月9日緊急で幽門側胃切除術施行.術後病理診断はclear cell adenocarcinomaであり,卵巣明細胞腺癌胃転移の診断となった.現在CPT-11+CDDPのレジメンにて,追加の化学療法施行中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3)
318-318, 2006
|