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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))
【一般演題】
卵巣悪性腫瘍3 偽Meigs症候群を呈した悪性Brenner腫瘍の一例
山本 祐華, 阿部 弥生, 永井 富裕子, 田口 雄史, 阿部 礼子, 田嶋 敦, 野島 美知夫, 吉田 幸洋
順天堂大学浦安病院産婦人科
《緒言》Brenner腫瘍は充実性腫瘍の1.4%と少なく,そのうち悪性の占める割合は全Brenner腫瘍の5%以下と言われている.今回術前に偽Meigs症候群を呈し,病理診断で悪性Brenner腫瘍と診断された症例を経験したため報告する.《症例》52歳,2経妊2経産,腹満感を主訴に近医受診.超音波上卵巣腫瘍疑われ,当院紹介受診となった.超音波上腹水著明であり,ダグラス窩に充実成分を含む12cm大の漿液性腫瘍を認めた.腫瘍マーカーはCA125:730.8U/ml CA19-9:3.5U/ml CA72-4:2.5U/ml CEA:0.8ng/ml.胸腹部CT上,明らかな転移巣は認めないものの右の胸水貯留が認められた.また骨盤MRIではT1 low T2 highの多房性嚢胞性病変と充実性腫瘤性病変を認め,充実部には良好な造影効果を認めた.入院後約2週間で3kgの体重増加,4cmの腹囲の増大を認めた.2度の腹水穿刺を行ったが,双方とも細胞診はclassIIであった.平成18年4月28日手術施行.術中の迅速病理診断で悪性Brenner腫瘍ということで,準広汎性子宮全摘術・両側付属器切除術・骨盤リンパ節郭清・大網切除・虫垂切除術を行った.腹水は約6000ml吸引された.直腸表面の浸潤が2cm以上認めたため,術後stageIIIcとなった.胸水は次第に軽快し,術後8日目には胸部レントゲン上胸水は消失し,CA125:240.1U/mlと下降した.術後化学療法として,TJ療法6クール予定としている.《結語》悪性Brenner腫瘍は稀な疾患であり,文献的報告も多くはない.臨床経過と合わせ,文献的考察を加え,一例報告とする.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3)
322-322, 2006
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