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		第112回学術集会(平成18年10月29日(日))
  
		【一般演題】 
		悪性腫瘍その他1 ネオアジュヴァント化学療法(NAC)を施行した腟癌の4例
  
		柿坂 宜孝, 伊東 和子, 宮本 強, 芦田 敬, 加藤 清, 塩沢 丹里, 小西 郁生 
		信州大学産婦人科
  
		  
		 婦人科癌の中で腟癌は頻度が少なく,確立した治療法はない.また,II期で5年生存率が40%と予後不良である.当科では腟癌に対してPAM-5(CDDP 70mg/m2,THP 25mg/m2,MMC 15mg/m2,5FU 350mg/m2)による術前動注化学療法を施行後,手術を施行し根治に至った4症例を経験した.症例はI期1例,II期2例,IVb期1例であった.扁平上皮癌3例,II期の1例が類内膜腺癌であった.4症例ともNACを2回施行した.II期の1例はNACにより縮小効果が乏しく,直腸筋層浸潤を認めたため,後方骨盤除臓術および人工肛門造設術を施行した.I期の1例とIVb期の1例はNACにて著明に腫瘍が縮小し,広汎子宮全摘術および腟全摘術を行った.摘出物標本の病理組織診断にてこの2例とも残存腫瘍を認めず,IVb期の1例は術後にPAM-5静注化学療法を2回追加した.II期の類内膜腺癌の1例はNACによる腫瘍の縮小を認めたが,術中直腸筋層浸潤を認めたため,広汎子宮全摘術,直腸部分切除術および人工肛門造設術を施行した.摘出物標本にて残存腫瘍の脈管侵襲を認めPAM-5静注療法を2回追加した.全例根治術に至り,術後2〜74ヵ月経過している.腟癌において従来手術療法が適応とならなかったIII期〜IV期も含めPAM-5術前化学療法により,根治手術を可能とし,予後を改善する可能性が示唆された.
 
  
		日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3)
		324-324, 2006 
		 
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