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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
悪性腫瘍その他1
Verrucous carcinomaの一例


錦見 恭子, 中田 恵美里, 西脇 哲二, 岩崎 秀昭
千葉市立青葉病院産婦人科


 Verrucous carcinomaは外陰癌の1〜2%をしめるまれな腫瘍である.今回我々は生検にてCondyloma acuminatumと診断されるも,手術による摘出標本にてVerrucous carcinomaと診断された一例を経験したので報告する.【症例】81歳女性.4経妊4経産.既往歴:高血圧,脳梗塞.平成17年10月ごろより外陰部腫瘍を自覚し,平成18年2月近医受診.腫瘍擦過細胞診陰性.腫瘍表面のpunch biopsyにてCondyloma acuminatumの診断となった.腫瘍の拡大傾向を認めたため,治療目的にて当科紹介受診.外陰部腫瘍摘出術をおこなった.肉眼所見:右小陰唇を基底部とし外向性に発育する35×40×30mmの乳頭状の腫瘍を認めた.腫瘍は境界明瞭でやや硬かった.組織所見:軽微な核異型と豊富な好酸性の細胞質を有する異型の乏しい細胞が疣状表面を呈して外向性に増殖していた.腫瘍細胞は周囲を圧排するように膨張性に間質に進展し,基底膜は保たれていた.koilocytosisは認めれらなかった.間質には炎症細胞浸潤を認めた.以上の所見よりVerrucous carcinomaと診断された.【結語】Verrucous carcinomaはCondyloma acuminatum,Warty carcinoma,basal cell carcinoma等との鑑別が必要である.術前診断は難しく,正確な診断をするためには手術による摘出標本にて行う必要性があると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 325-325, 2006


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