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		第112回学術集会(平成18年10月29日(日))
  
		【一般演題】 
		悪性腫瘍その他2 基靱帯内に増殖した孤立性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor)の一例
  
		永光 雄造, 鈴木 康伸, 大淵 紫, 佐川 泰一, 齊藤 俊雄, 林 敏 
		船橋市立医療センター産婦人科
  
		  
		 solitary fibrous tumor(SFT)は1931年にKlempererとRabinによって最初に胸膜病変に報告された,fibroblasticな間葉系腫瘍であり,血管周皮腫様を示す病変である.発症頻度は稀であり,特に胸腔外病変での報告例は少ない.今回我々はMRIで肉腫を疑い,肉腫との鑑別を要したSFTを経験したので若干の文献的考察を踏まえて報告する.  症例は70歳,2G-2P.数年前より臀部痛出現し,近医受診.下腹部腫瘍の診断で当院紹介初診となった.MRI上,多発性子宮筋腫が存在し,子宮右側後方に多発性筋腫とは異なる約6cm大のhigh intensityな腫瘍を認めた.子宮筋腫の変性及び子宮肉腫を疑い手術施行.開腹所見では腫瘍は基靱帯内より後腹膜腔後方に発育しており,弾性硬の腫瘍を触知した.術中易出血性で止血困難であり,手術は後腹膜腫瘍摘出術を施行した.術後病理組織学所見では線維芽細胞類似の紡錘形腫瘍細胞が血管周皮腫様に並びながら増殖し,一部に壊死像を認めたが,核分裂像は目立たなかった.免疫染色では,腫瘍細胞はSMA(−),S100(−),C-kit(−),CD34(+),FactorVIII(−),cytokeratin(−),EMA(−)であった.腫瘍の境界は比較的明瞭で,境界悪性の範疇と考えられた.術後経過は良好で,後療法は施行せず現在外来観察中である.  SFTと診断するためには免疫染色でCD34の所見が重要であり,本症例はCD34強陽性であった.SFTは間葉系腫瘍で,Epitherial sarcoma,Hemangiopericytoma等との疾患の鑑別を検討した.
 
  
		日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3)
		327-327, 2006 
		 
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