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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
悪性腫瘍その他2
巨大骨盤内腫瘍で発見されたGastrointestinal stromal tumor(GIST)の2例


高橋 千果, 村松 俊成, 杉山 太郎, 近藤 朱音, 平澤 猛, 三上 幹男
東海大学専門診療学系産婦人科


 Gastrointestinal stromal tumor(GIST)は消化管由来の間葉系腫瘍のうち,平滑筋腫や神経系腫瘍に分化を示さない稀な腫瘍である.今回画像検査にて巨大な骨盤内腫瘍で発見されたGIST 2例を経験したので報告する.【症例1】57歳,2経妊2経産.腹部膨満感にて近医を受診し,精査にて巨大な骨盤内腫瘍を指摘.下肢静脈血栓症の合併も認め当院紹介となった.下大静脈フィルター挿入後開腹手術を施行するも,腫瘍は腸管を巻き込み摘出困難にて閉腹.腫瘍はImatinib mesylate 400―600mg/dayを6ヵ月服用後著明に縮小.再手術にて摘出可能となった.【症例2】48歳,4経妊2経産.発熱,下腹痛にて近医を受診し,巨大卵巣腫瘍を指摘され当院紹介となった.炎症反応が高く緊急開腹手術を施行.小腸および膀胱漿膜と強い癒着の巨大腫瘍を認め,小腸合併切除にて摘出.腫瘍割面は強い壊死を認めた.病理検査は2例とも異型な紡錘形細胞が増殖・交錯した比較的細胞密度の高いもので,核分裂像は1-2/10〜50HPF.症例1は出血,凝固壊死はなかったが症例2は強い壊死を認めた.免疫染色は,c-kit蛋白(1+〜2+),CD34(−〜++),smooth muscle actin(−〜+),desmin(−),NSE(−),MIB1-index 5〜20%で診断はGISTであった.【結語】今回骨盤内腫瘍で発見された2例のGISTを経験した.GISTは画像上,子宮筋腫の変性や卵巣腫瘍などの婦人科疾患と鑑別が必要である.治療,鑑別点など文献的な考察を交え報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 328-328, 2006


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