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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))
【一般演題】
悪性腫瘍その他3 再発癌患者に緩和ケアを積極的に導入してみて
寺尾 泰久1), 須賀 新1), 金田 容秀1), 加塚 有紀1), 國井 優衣子1), 鈴木 千賀子1), 荻島 大貴1), 武内 裕之1), 山口 聖子2), 中尾 晃2), 谷 裕一郎2), 井関 雅子2)
順天堂大学産婦人科1), 順天堂大学緩和ケアセンター2)
【目的】当院では2003年1月から緩和ケアチーム(以下PCT)が活動を開始し,院内の癌患者に対し,緩和ケアを行っている.当科では2005年から婦人科癌再発患者全員に対して,再発の主治療を提示するのと同時に,緩和ケアチームの存在を知らせ,再発の初期段階からPCTが介入している.積極的に緩和ケアを導入した前後の変化を評価した.【方法】積極的に導入する以前(A群:2003年から2004年までの24ヶ月)と以後(B群:2005年から2006年4月までの16ヶ月)に分けて,婦人科癌再発で入院した患者の緩和ケア導入率,院内死亡率,剖検率,患者・家族の満足度について検討した.【成績】再発入院した患者数はA群66人(2.8人/月),B群49人(3.0人/月)であり,PCT導入率はA群33%,B群71%であった.期間中の死亡患者数はA群29人(1.2人/月),B群22人(1.3人/月)であった.PCT導入前A群の院内死亡率は79%,B群は54%に減少した.剖検率はA群21%,B群27%と変化なかった.【結論】再発後の早期から,PCTが介入することにより,患者・家族に在宅ケア,ホスピスなどの選択肢が増え,本人の要望に合わせることが可能となった.緩和ケアという言葉を敬遠して,拒む患者も少なからずいた.ホスピス病棟を持たない急性期病院では,初期から緩和ケアを積極的に導入することで,患者・家族とのコンタクトが円滑になり,患者満足度が向上した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3)
329-329, 2006
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