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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
悪性腫瘍その他3
当院における超高齢者の婦人科癌治療に関する問題点


喜多村 薫, 吉崎 敦雄, 遠藤 方哉, 仲沢 経夫, 木村 昭裕
横浜市南部病院産婦人科


 【目的】超高齢者の癌患者では,合併症や全身状態の低下によって,治療法の選択に苦慮する場合が多い.そこで当院における超高齢者の癌治療について,今後の管理に活かすべく検討を行った.【対象】1994年から2006年の12年間に,入院管理をした80歳以上の婦人科悪性腫瘍症例を対象とした.【方法】主訴,疾患別の進行期分布,治療法,無治療又は中断例とその理由,入院期間,合併症の有無,重複癌の有無等につき検討した.【結果】80歳以上の婦人科癌は23例(子宮頸癌8例,子宮体癌2例,卵巣癌13例)であり最高齢は95歳であった.主訴は子宮頸癌では不正出血が87%とほとんどであったが,その他の癌では下血や全身倦怠感といった非典型的な主訴が53%であった.進行期分布では2期以上の進行癌の比率が74%を占めた.治療法選択にあたっては高齢であることを考慮した症例が9割であった.全体の26%は治療中断か未治療で癌死した.その理由としては患者家族の希望が33%,全身状態の悪化が67%であった.主治療法は子宮頸癌では手術療法を選択できたのは8例中1例のみであった.卵巣癌では61%が手術療法を施行できたが完全手術を施行できたのは一例もなく原発巣を摘出できたのは25%のみであった.入院期間は平均34日で,特に子宮頸癌では62日と長期にわたっていた.合併症は全体の86%にあり,循環器系の疾患が最も多く43%で,認知症は17.3%に存在した.重複癌は21.7%に存在した.検討期間中56.5%が死亡し,死因では癌死61.5%であった.【結論】超高齢の癌治療では発見が遅れがちであり,全身状態や合併症の有無により治療に限界がある.個々の症例で慎重に治療法を検討する必要がある.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 330-330, 2006


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