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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
感染症1
腹水貯留や腹部腫瘤を認めた性器結核の2症例


古川 敦子, 長野 浩明, 臼井 真由美, 村山 敬彦, 高井 泰, 末永 昭彦, 齋藤 正博, 林 直樹, 関 博之, 馬場 一憲, 竹田 省
埼玉医科大学総合医療センター産婦人科


 【緒言】今回われわれは卵巣腫瘍の疑いにて開腹手術を施行し,術後性器結核と診断された症例を経験したので報告する.【症例】症例1 25歳0経妊0経産.フィリピン国籍.家族歴,既往歴特記事項なし.腹部膨満,腹痛,吃逆にて近医受診し,超音波検査上,腹水貯留を指摘され,卵巣癌の疑いにて,当院紹介受診.CA125は471と高値.画像診断上腫瘍病変は認めず,腹水細胞診もclass2.ツベルクリン反応は中等度陽性を示したが,喀痰,腹水の培養,PCRでは結核菌は同定されず,試験開腹したところ,腸管・子宮・卵巣表面に多数の白色粟粒大の小結節が見られ,病理所見にて乾酪壊死,ラングハンス巨細胞,類上皮細胞を認め,腸表面組織の結核菌PCRが陽性となり,腹膜結核と診断.抗結核療法(INH,RFP,EB)を施行し,症状の改善を認めた.症例2 55歳1経妊0経産.義父が肺結核既往.既往歴特記事項なし.下腹部腫瘤感にて近医受診.卵巣嚢腫,CA125 345と高値のため,当院紹介受診.左附属器に5cm大の内部エコー不均一な腫瘤認め,卵巣腫瘍の診断にて開腹手術施行.腹膜表面に白色粟粒大の腫瘤が散在.病理所見にて類上皮肉芽腫,ラングハンス巨細胞を認め,結核と診断.ツベルクリン反応中等度陽性,喀痰および腹水PCRは陰性だったが,病理診断を考慮し,現在抗結核薬にて治療中.【結語】性器結核は無症候性に経過し,腹水や腫瘤の形成により発見され,悪性腫瘍との鑑別に苦慮することも少なくない.腹水や骨盤内腫瘤を認めた場合には,生活歴,家族歴等も十分考慮し,常に結核を鑑別診断のひとつと考える必要がある.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 333-333, 2006


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