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		第112回学術集会(平成18年10月29日(日))
  
		【一般演題】 
		感染症2 重症妊娠悪阻の管理中に発症したBacillus cereusによる敗血症の1症例
  
		板谷 雪子1), 福田 麻美2), 市川 美和1), 高井 泰1), 臼井 真由美1), 村山 敬彦1), 末永 昭彦1), 斉藤 正博1), 林 直樹1), 関 博之1), 馬場 一憲1), 竹田 省1) 
		埼玉医科大学総合医療センター産婦人科1), 上尾中央病院産婦人科2)
  
		  
		 【緒言】セレウス菌(Bacillus cereus)は食中毒の原因菌であり,敗血症,重症感染症をきたすことは稀である.今回我々は,重症妊娠悪阻の管理入院中に発症した敗血症の症例を経験したので報告する.【症例】27歳,0回経妊0回経産.妊娠11週4日より重症妊娠悪阻にて前医に入院,点滴加療開始.妊娠12週1日頃より水様下痢を断続的に認めた.妊娠13週6日に39℃台の発熱認め,妊娠14週1日からCEZ 2g/日投与したが軽快せず.妊娠14週3日,血液培養にてBacillus cereus検出され敗血症と診断,VCM2g/日投与開始.妊娠14週5日から右内頚静脈にCVカテーテル留置.血液検査上DIC兆候認めたためメシル酸ガベキサート1000mg/日の投与開始.血液検査上改善傾向認めるも発熱持続するため,妊娠15週5日に当科転院搬送された.入院時に,CVカテーテル抜去,VCM2g/日投与再開した.入院翌日より著明に解熱,下痢症状消失,食欲も回復し経口摂取可能となった.便培養,血液培養,カテ先よりBacillus cereus検出された.血液培養にてBacillus cereus消失確認し17週0日に退院.経過中,児の発育に異常は認めなかった.【考察】本症例では重症妊娠悪阻によりcompromised hostの状態になっていた為,Bacillus cereusによる敗血症に至った.感染経路としては経腸管感染もしくは経末梢点滴路感染が考えられた.また,CVカテーテルの留置により敗血症が遷延したと思われた.
 
  
		日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3)
		333-333, 2006 
		 
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