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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
胎児新生児異常3
胎児先天性間葉芽腎腫の1例


大場 智洋, 松岡 隆, 吉江 正紀, 杉藤 祐美, 下平 和久, 関沢 明彦, 長塚 正晃, 木村 武彦, 岡井 崇
昭和大学周産期センター


 【症例】35歳,1G0P1SA.羊水過多,胎児腹部腫瘤の精査目的で紹介された.来院時妊娠29週0日,超音波検査でAFI39.6と羊水過多を示し,胎児精密超音波検査で左腎に一致する部位に径48×61×55mmの充実性腫瘤が認められた.腫瘍には下行大動脈から流入する豊富な血流を認め,正常腎と腫瘍との境界は不明瞭であった.また胎児尿産生量は18.3ml/hと亢進していた.他に構造異常を認めず,MRIで正常左副腎を確認したので,神経芽細胞腫は除外され,腫瘍の性状からWilms腫瘍,嚢胞性腎症は除外された.また,羊水過多の原因として,胃泡を認めたため上部消化管閉鎖は否定的であり,GDMも除外された.以上より,腫瘤は左腎より発生した豊富な血流を持つ境界不明瞭な腫瘤であり,羊水過多を示していることから,胎児先天性間葉芽腎腫と診断した.その後,腹部腫瘤が増大し,羊水増加を認めたため羊水穿刺を施行し計2500ml除去した.34週4日高位破水となり帝王切開術にて分娩となった.羊水量は約6000mlであった.出生児は2759gの男児,Apgar 7/9であった.生後6日目に左腎摘出術を施行し,径9cm大の腎腫瘍を摘出した.病理結果は先天性間葉芽腎腫であった.【考察】先天性間葉芽腎腫は腎実質から発生する間葉系腎腫瘍,過誤腫である.頻度は小児腎腫瘍の3%であるが,胎児期に診断される腎腫瘍の93%を占めるといわれている.胎児期超音波検査では結節様陰影を伴う片側性の境界明瞭な腎腫瘍として認められ,副腎腫瘍との鑑別にはMRIが有効である.特徴的な超音波所見に加えて羊水過多を認めれば診断は比較的容易であると思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 342-342, 2006


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