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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(1) 妊娠28週で子宮破裂を起こした1妊娠症例
高木 司1), 伊東 敬之1), 深田 幸仁1), 星 和彦2)
独立行政法人国立病院機構甲府病院産婦人科1), 山梨大学医学部附属病院産婦人科2)
子宮破裂は約3000分娩に1例の頻度で発症するとされる稀な疾患であるが,一度発症すると新生児死亡や母体死亡に至る場合もある重篤な疾患である.今回我々は,子宮筋腫核出術2年後に自然妊娠成立し妊娠管理を行っていたが,妊娠28週1日に筋腫核出術創部の破裂を起こしたが,母児ともに救命しえた症例を経験したので報告する.【症例】36歳0回経妊0回経産【既往歴】16歳時右卵巣嚢腫にて右付属器切除術施行 29歳時左大脳星細胞腫にて腫瘍核出術施行 33歳時子宮筋腫にて子宮筋腫核出術(レーザー治療)【家族歴】特記すべき事項なし【妊娠経過】2006年10月21日を最終月経初日として自然妊娠を成立し,妊娠5週2日当院初診以降当院にて外来管理を行っていた.子宮筋腫核出術の既往があるため分娩方法は帝王切開を予定し妊娠管理を行っていた.妊娠経過に異常を認めていなかったが,妊娠28週1日左下腹部痛があり救急外来受診した.NST上児心音はreassuringで子宮収縮は40分間で1回だけであったが,経腹echo上子宮内に羊水をほとんど認めず,子宮内から腹腔へと脱出した臍帯の所見を認めたため,緊急帝王切開術施行した.開腹すると,子宮体部左側に径3cm大の穿孔部位があり,その部分より長さ15〜20cmの臍帯が脱出していた.子宮下節にて深部横切開施行し,1352g Apgar score1分値3点5分値8点,臍帯動脈血pH 7.313の男児を娩出した.子宮筋層は一部でかなり菲薄化していた.術後経過は順調であり,術後7日目に退院となった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3)
264-264, 2007
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