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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(1)
妊娠17週で子宮破裂を起こし子宮摘出術を施行した1例


岡山 潤, 深瀬 正人, 佐藤 徳郎, 金井 督之, 内藤 成美, 辻井 篤, 門 智史
沼津市立病院産婦人科


 子宮破裂の頻度は約3000分娩に1例であり,子宮手術歴のある産婦で生じやすいが,人工操作のない状態での頻度は15000分娩に1例で多産婦に多い.今回,流産手術以外の手術歴がない子宮破裂例を経験したので報告する.【症例】35才 4経妊 3経産.【妊娠分娩歴】3回正常経腟分娩,4経妊目が稽留流産にて流産手術を施行.【現病歴】妊娠16週5日より下腹部痛を自覚し近医にて痛み止めを処方され軽快していた.妊娠17週0日,外出中に下腹部痛が出現し再度近医受診.腹痛強くHGB8.8g/dl(2週間前HGB10.3g/dl)と低下を認めたため急性腹症,腹腔内出血の疑いで救急車搬送にて当院紹介初診となった.来院時意識清明,血圧70/49mmHg,心拍数126回/分,持続性の心窩部痛,下腹部痛を認め,経膣超音波上,腹腔内にecho free spaceあり.HGB6.9g/dlとさらに低下しているため原因は不明だが,当科でも腹腔内出血を疑い試験開腹術目的に緊急手術を施行した.【手術所見】腹腔内は腹水,凝血多量.子宮後面左側が破裂し,胎胞が突出,その横に胎盤の辺縁を認めた.胎児,胎盤の娩出後も出血持続するため膣上部切断術を施行した.【結語】子宮破裂は母児ともに死亡する可能性がある.帝王切開既往例で頻度は高くなるが,子宮手術の程度によらず,妊娠の比較的早い時期に発症することもあり危険因子の有無を十分確認する必要がある.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 264-264, 2007


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