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<< 学会誌へ戻る 妊娠高血圧症の重症浮腫（肺水腫，腹水など）は通常妊娠の終了と共に軽快するが，その後も症状の持続および増悪する症例では血液透析や血漿交換の有効性が示唆されている．今回持続的血液透析濾過療法（CHDF）が有効であった一例を経験したので報告する．【症例】38歳，初産婦．妊娠28週時の妊健にて血圧210/124mmHg，尿蛋白（4＋）と妊娠高血圧症の増悪を認め当院へ紹介入院となった．入院時血圧190/123mmHg，尿蛋白（4＋），NST上accelerationは認めなかった．その後，吐き気，嘔吐症状出現しHb14.8→18.2g/dl，Ht42.9→51.4％と血液濃縮が進行し，臍帯動脈の拡張期の臍帯血流の途絶も認めたため重症型妊娠高血圧症の診断にて緊急帝王切開術を施行した．術中，多量の腹水を認めた．児は800gの男児でAPGAR SCOREは7/8/8であった．術後1日目に腹水貯留が増強しアルブミン製剤，利尿剤使用するも軽減せず．術後3日目にはさらに肺水腫，腹水の増悪，心嚢液の貯留認めた．アルブミン製剤，利尿剤使用しても十分な利尿得られず，肺水腫の増悪に伴う呼吸障害が認められたためCHDFを施行した．1回目のCHDFでは十分な利尿得られなかったが，3回目のCHDF施行後に利尿期へ移行し，肺水腫，腹水は軽快した．母体は術後20日目に退院．児は生後96日目に2012gで退院となった． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 267-267, 2007 |
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