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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(3)
妊娠初期に腸管切除・人工肛門造設術を施行したクローン病合併の1症例


多田 和美, 渡辺 博, 柳田 充雄, 田中 聡子, 西川 正能, 大島 教子, 坂本 尚徳, 田所 望, 稲葉 憲之
獨協医科大学産婦人科


 クローン病は潰瘍性大腸炎とともに難治性炎症性腸疾患であり,慢性・難治性であることから臨床経過は長い.好発年齢は若年層であり妊娠出産適齢期と重なり,また妊娠中にその増悪が起こる場合があるため重要な問題となっている.今回我々は,妊娠初期に原因診断に苦慮した汎発性腹膜炎を発症し,開腹術で小腸穿孔合併したクローン病と診断された症例を経験したので報告する.症例は22歳,0経妊,既往歴・家族歴:特になし,月経歴:初経12歳・整,妊娠10週,妊娠反応陽性のため当院初診.妊娠12週6日,熱発し外来受診し抗生剤の処方にて帰宅するも,13週3日,外来受診血液データの悪化・腹痛が見られ,骨盤内腹膜炎疑いのため入院する.入院後,抗生剤の点滴を行っていたが,腹痛の悪化・下痢の出現見られた.14週4日,腹水の貯留見られ穿刺したところ淡黄色であった.症状の軽減が見られないことから,外科と相談し原因不明の汎発性腹膜炎の診断で開腹術施行となる.開腹術所見は腹腔内全体に腹膜炎症状あり,子宮・両側付属器・大腸の炎症性の癒着が見られた.腹水は淡黄色で800ml貯留し悪臭があった.回盲部より約10cm肛門側のところが穿孔していたため周辺15cm切除する.切除した腸管の肉眼的変化と,数カ所腸管の肥厚がみられ,病理組織検査にてクローン病と診断した.腸管の切除に伴い人工肛門造設となった.術後は中心静脈とエレンタールを中心とした栄養療法を行った.現在,胎児の発育も良好であり妊娠継続中である.妊娠経過の報告を若干の文献的考察も含め報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 269-269, 2007


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