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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(5)
心内膜床欠損症根治術後の妊娠中に心不全を呈した1例


岡田 直人, 西林 学, 塚本 有佳子, 板倉 敦夫, 石原 理
埼玉医科大学産婦人科


 心疾患合併妊娠は全妊娠の約1%とされるが,妊娠中の循環血漿量増加に伴い心不全を発症すると治療に苦慮することも多い.今回我々は心内膜床欠損症術後の妊娠中に心不全を呈した症例を経験したので報告する.症例は32歳,0回経妊0回経産.17歳時に心内膜床欠損症の根治術を施行.術後フォロー中の心エコーにてMR II°あるものの心不全徴候はみられず,妊娠・出産は可能と判断されていた.32歳にて自然妊娠が成立,前医にて妊婦健診を受けていたが,妊娠22週3日に血圧154/66mmHgと上昇,尿蛋白・浮腫も出現したため妊娠高血圧症候群の診断で前医に入院.妊娠26週頃より全身倦怠感が出現したため心エコーを施行したところ,EF57%,MR II〜III°,TR II°,心嚢水貯留を認めた.心不全の診断にてフロセミドの内服を開始し,妊娠27週4日に当院に転院となった.転院後施行した心エコーではEF70%,MR II°で,症状もやや軽快していたが,妊娠28週3日より呼吸困難が出現,SpO2が91%まで低下したため酸素投与を開始したが症状改善せず,NYHA IV度の心不全を呈し,翌日施行した心エコーではEF37%,MR III°,TR II°と心機能の低下と心嚢水の増加を認めた.心嚢水貯留による心タンポナーデと診断,同日心嚢水ドレナージを施行し約500mlの心嚢水を排液した.排液後はEF59%と心機能が改善,呼吸困難も軽快したが再貯留を懸念し,妊娠29週5日に帝王切開を施行した.児は1106g女児,Apgar score(1)8,(5)8でNICUに入院となった.母体は術後CICUに入院となったが,心機能は改善し,産褥11日目に退院となった.妊娠前には心不全を呈さない場合でも妊娠中の心機能に十分注意する必要があると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 276-276, 2007


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