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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(5)
妊娠33週に感染性心内膜炎(IE)から多臓器不全,脳膿瘍を発症し母児智に救命しえた1例


鈴木 大輔1), 曽田 雅之2), 大澤 稔3), 塚越 規子2), 山田 清彦2)
前橋赤十字病院救急部1), 前橋赤十字病院産婦人科2), 前橋赤十字病院総合診療部3)


 【要旨】妊娠33週に感染性心内膜炎による敗血症を発症し,多臓器不全,脳膿瘍を生じ集中治療,脳膿瘍ドレナージ術を施行し,救命しえた1例を経験したので報告する.【症例】24歳,0経妊0経産.妊娠33週1日に下肢の関節痛と40度の発熱が出現した.改善傾向を認めなかったため33週3日に当院紹介となった.血液検査では白血球16000/μL,CRP30.4mg/dL,肝機能障害,腎機能障害を認めた.敗血症と診断し,FMOX2g/日の投与を開始した.翌日,血液培養検査の結果MSSAが検出され,抗生剤をSBT/ABPC6g/日に変更した.33週5日,腎機能低下,血小板低下など増悪傾向のため,母体適応で緊急帝王切開術を施行した.気管挿管麻酔科に経食道エコーを施行したところ,僧房弁に疣贅を認めたためIEと診断し,術後は集中治療室で管理し,CEZ,GMを投与した.術後1日,クレアチニン値上昇にて持続的血液濾過透析を開始した.術後6日,抜管できたが,炎症反応は高値のまま持続し,僧房弁の疣贅は16mmに発育していた.術後8日に意識障害と左片麻痺にて頭部CT,MRIを施行したところ,右後頭葉に広範な脳梗塞と脳膿瘍を認めた.抗生剤を髄液移行性の高いCTMに変更,MRSA感染を強く疑いVCMを開始した.術後16日に脳膿瘍ドレナージ術が施行された.以降,軽快傾向に転じ,術後48日に僧房弁破壊認めず,疣贅の消失を確認した.麻痺等神経症状は消失し,帝王切開後85日,退院となった.【考察】IEの原因としては,入院2週間前の左足の捻挫,腎盂腎炎,う歯,ざ瘡等が考えられた.黄色ブドウ球菌によるIEは高い死亡率を伴うことが知られている.今回,集学的治療を行い,母児ともに救命しえた心内膜炎合併妊娠の1例を経験した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 276-276, 2007


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