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<< 学会誌へ戻る 【緒言】子宮筋腫縮小などを目的とした子宮動脈塞栓（Uterine Arterial Embolization：UAE）が広く知られるようになった．妊孕性温存を希望する症例に対してUAEは行うべきでないとする考え方が主流であるが，実際はUAE後の妊娠に遭遇するようになってきている．【症例】30歳の初妊婦．3年前に他院で子宮筋腫縮小のためのUAEを施行した．その後，自然妊娠し，当センター受診．超音波検査上，4cm大の石灰化した筋層内筋腫が子宮前壁に認められ，胎盤は筋腫の直下に付着していた．妊娠34週0日，前期破水のため入院．自然陣痛発来し，妊娠34週2日，1950gの女児を経腟分娩．その後，胎盤が自然娩出せず．胎盤部分剥離に伴うと思われる出血が断続的に続いたため，胎盤用手剥離を施行したが出血は持続し，開腹術に移行した．子宮温存の希望があり，子宮内腔を確認したところ肉眼的に胎盤遺残は認められなかったが，止血がえられず，腟上部切断術を施行した．出血量は4829gであった．病理組織診断はplacenta accretaであった．【考察】子宮内膜掻爬や帝王切開など子宮手術歴のない妊娠例において常位胎盤が癒着胎盤であることは非常にまれであるため，本症例では癒着胎盤の原因としてUAEが関連していることが示唆された．UAE後妊娠はハイリスクであり，胎盤位置が常位であっても，癒着胎盤を想定した輸血などの準備を行うべきであると考えられた． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 279-279, 2007 |
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