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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(8) 分娩体位による安全性の検討
大垣 洋子, 岡田 朋美, 中西 美紗緒, 山本 直子, 岡 朱美, 水主川 純, 桝谷 法生, 定月 みゆき, 五味淵 秀人, 箕浦 茂樹
国立国際医療センター病院産婦人科
当センターで2004年から導入しているフリースタイル分娩において,分娩体位と母児の予後の関係について検討した.対象期間は2005年1月1日から2006年12月31日とし,経膣分娩した症例のうち,早産・過期産,鉗子・吸引分娩,胎位異常症例を除外し,そのうち仰臥位,側臥位のみを検討対象とした(614例).解析はStat Viewを用い,年齢,経産回数,分娩体位,前期破水の有無,誘発・促進の有無,児出生体重,臍帯巻絡の有無の項目と分娩所要時間,出血量,会陰切開の有無,会陰裂傷の程度,分娩時酸素投与の有無,Apgar scoreの関連性について検討した.その結果,分娩所要時間,出血量,分娩時酸素投与,会陰裂傷の程度に関しては,仰臥位と側臥位で有意差を認めなかった.しかし,会陰切開は側臥位より仰臥位で多く施行されていた.また,Apgar scoreに関しては,1分値は分娩体位により差を認めなかったが,5分値は仰臥位より側臥位で有意に高かった.これらの結果より,妊娠分娩経過に大きな問題のない症例において,側臥位分娩は仰臥位分娩に比べ,母児の予後を悪化させないと考えられた.フリースタイル分娩は妊婦の満足を得られるだけでなく,医学的に安全性も確保できると考えられる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3)
281-281, 2007
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