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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(8) 当院における双胎外来の現状と効能
薪田 も恵, 武者 由佳, 田中 利隆, 伊藤 茂, 竹田 省
順天堂大学医学部産婦人科
【目的】自然妊娠による多胎の発生頻度は0.4%と言われているが,ここ最近の我国の人口動態統計では0.9%まで増加している.周産期死亡率の差でみると,単胎に比べ二絨毛膜双胎では約10倍,一絨毛膜双胎では60倍にもおよびハイリスク妊娠として厳重な管理が必要である.当院では2003年4月より双胎外来を設け双胎の管理を行ってきたので,外来開設前後の過去7年間について報告する.【方法】対象は一絨毛膜二羊膜性双胎,二絨毛膜二羊膜性双胎とした.双胎外来設置以前の2000〜2002年の3年間と,双胎外来設置後の2003〜2006年の4年間に分類し,それぞれbefore群,after群として検討した.【成績】当院での双胎分娩件数の推移は00年より14件,18件,16件,21件,21件,27件,22件であり,徐々に増加傾向があった.またART率は27%〜45%であり,特に有意差はなかった.before群,after群の2群間で分娩の検討を行った.34週未満の早産率はbefore群14.5%,after群14.7%で有意差は無かった.先進児が頭位であった率はbefore群で79%,after群で85%と有意差は無かった.前回帝切や子宮手術後の既往があった率はbefore群で8.6%,after群で9.1%と有意差は無かった.母体帝切希望率はbefore群で14.5%,after群で4.4%とafter群で低い傾向があった(p=0.076).帝切率は00年から93%,86%,75%,67%,57%,48%,58%と低下傾向を示した.【結論】双胎外来を設置し,双胎について十分なインフォームドコンセントを行うことで患者に双胎についてのリスクを理解してもらう機会を得た.妊娠初期より一貫したプロトコールを行うことにより,経膣分娩に対する長所・短所を患者が十分に理解でき,結果として帝切率が減少した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3)
283-283, 2007
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