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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(9)
腎機能低下しIgA腎症が判明した一例


小野 洋子, 滝澤 基, 池上 淳, 雨宮 厚仁, 河野 恵子, 白石 眞貴, 佐々木 重胤, 永田 育子, 寺本 勝寛
山梨県立中央病院母性科産婦人科


 IgA腎症は日本人に多い原発性糸球体腎炎の一つである.過去の報告では,その患者が妊娠した場合,予後には大きな影響を与えないとされている.今回我々は,急速に腎機能低下をきたしIgA腎症が判明した一例を経験したので報告する.【症例】既往歴:なし 妊娠分娩歴:0経妊0経産現病歴:自然妊娠成立後,初期より他院にて妊婦健診を受けていた.妊娠19週時に左下肢の深部静脈血栓症を発症し,前医にて治療し,妊娠22週時に退院した.この時,蛋白尿1.56g/日であったが腎機能および血圧は正常であった.以降ヘパリンカルシウム皮下注を行った.妊娠31週時,血液検査にてクレアチニン上昇およびCcr低下が指摘され,腎機能低下のため当院へ母体搬送となった.経過:入院時血圧は128/94mmHgであり,児の成長やwell beingに異常は認められなかった.児の娩出を考え,ベタメサゾン筋注を行った.超音波検査にて,静脈血栓は縮小しているが残っていたため,ヘパリンナトリウム持続点滴を行った.その後,CCr26ml/minと腎機能低下が急速であるため,妊娠31週2日に緊急帝王切開を行った.児は1646g男児であり,NICUにて問題なく経過した.母体の血圧は160台と上昇したため,塩酸ニカルジピン持続点滴にてコントロールを行った.また,腎機能が改善しないため,内科へ転科となった.転科後,腎生検にて管外性増殖の目立つIgA腎症であると診断された.ステロイドパルス療法,免疫抑制療法,LDLアフェレーシス・血漿交換にてCcrは改善し,尿中蛋白量は減少した.現在は外来にて経過観察中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 286-286, 2007


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