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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(9) 当院における妊娠糖尿病および糖尿病合併妊娠管理の検討
岡本 香織, 岡嶋 祐子, 大川 玲子
国立病院機構千葉医療センター産婦人科
【目的】当院での妊娠糖尿病と糖尿病合併妊娠の管理方法について現状を分析し,改善策を検討する.【方法】2003年4月から2007年6月の間に当院で管理した妊娠糖尿病10例と糖尿病合併妊娠8例を対象とした.<1>妊娠糖尿病の診断に関し,患者背景,診断の時期,診断に至る経緯について調査した.<2>妊娠糖尿病・糖尿病合併妊娠患者の血糖のコントロールに関して,治療方法,経過,分娩方法,出生児の状態等を調査し,検討した.【成績】<1>妊娠糖尿病の患者背景として妊娠前からの肥満(BMI>25)が80%(8/10)に,家族歴が50%(5/10)にみられた.診断に至る経緯については,妊婦健診で尿糖陽性であることより精査・診断に至ったものが70%(7/10)でそのうち初回の妊婦健診で尿糖陽性であったものは5例あった.<2>糖尿病の治療にインスリンを導入したものは妊娠糖尿病で7例,糖尿病合併妊娠では8例であった.分娩方法は全体で経膣分娩15例(自然分娩8例,誘発分娩6例,吸引分娩3例,肩甲難産5例),帝王切開3例であった.児の状態は大奇形0例,小奇形1例,低血糖4例,鎖骨骨折3例,腕神経叢麻痺1例であった.【結論】妊娠糖尿病症例の多くは初回の妊婦健診時すでに発症しており,とくにハイリスク群に対してはできるだけ早期の血糖スクリーニングが必要である.また,血糖コントロールに関しては内分泌内科管理下においても肩甲難産例も出ており,産科側からもアプローチをしてより厳格に管理をしていく必要があると考える.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3)
286-286, 2007
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