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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(9) 当院における助産師外来開設の試み
永田 理恵, 長野 宏史, 時田 佐智子, 中安 ルナ, 太田 武雄, 高橋 晃, 中村 靖
順天堂大学医学部附属練馬病院産科・婦人科
【目的】産科外来において,いかなる医師―助産師間の業務分担・協力体制が有効であるかをさぐる.【方法】当院で分娩した褥婦300名を対象に行ったアンケート結果を元に,平成19年4月より,助産師が担当する外来として,母乳育児外来,乳房ケア外来,4D外来などを開設するとともに,産後一ヶ月健診を特別なケースを除いて助産師がおこなうこととした.また,同5月より妊婦健診の一部を助産師が担当する外来に変更した.これらの外来受診者の満足度の調査をおこなった.産後一ヵ月健診において,エジンバラ産後うつ病調査票を用いた褥婦の精神状態の評価も行った.【成績】助産師外来開設による効果としては,医師の外来診療時間を約30%軽減することが可能となり,また,次回以降の健診予約などの業務負担をなくすことで,外来診療の流れを効率よくすることができた.これにより,医師が婦人科診療により多くの時間を当てることが可能となった.受診者の満足度はおおむね良好であった.また,2ヵ月間で146名の褥婦中9名の産後うつ病ハイリスク例を検出し,早期の対応をすることができた.【結論】産科医療現場における医師数の減少傾向の中,助産師の能力を有効活用することが,医師の負担を減らしつつ妊婦,褥婦にとって満足度の高い医療を提供できる可能性がある.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3)
287-287, 2007
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