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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(10)
重症精神疾患合併妊婦の取り扱い―ECTによるsevere IUGRを合併した一例


阿部 裕子1), 澤 倫太郎1), 峯 克也1), 菊池 芙美1), 岩崎 奈央1), 磯崎 太一1), 桑原 慶充1), 里見 操緒1), 石川 源1), 竹下 俊行1), 一宮 哲哉2), 大久保 善朗2)
日本医科大学産婦人科1), 日本医科大学精神神経科2)


 妊婦へのElectric Convulsive Therapy(ECT)は安全とされているが,双極性うつ病に対する10回のECT施行後,妊娠32週で胎児発育遅延により緊急帝王切開となった症例を経験した.症例:38歳,未経妊未経産.18歳から双極性うつ病と診断され薬物加療されてきたが,37歳で結婚を機に徐々に薬物の減量を図り,38歳で妊娠判明後は内服休止していた.妊娠26週に非刺激性の亢進,易怒性が顕著となり,自ら転院を申し出,当院紹介,双極性感情障害,精神病症状を伴う躁状態が強いため神経科との併診で医療保護入院となった.妊娠27週5日から全身麻酔下によるECTを週2〜3回施行,計10回施行にて精神症状は軽減した.一方妊娠29週から胎児発育が停滞し,AFIは保たれていたが,妊娠32週のNSTにおいてloss of variabilityが出現,超音波ドプラ法にてMCAPI 1.36と低値,UmAPI 2.23と高値であったため妊娠32週2日にて緊急帝王切開を施行した.児は男児,1084g(SFD),Apgar’s score 9(1min)→10(5min).出生後のNICU管理となったが出生後の発育は良好.母体も術後薬物療法を続け産褥経過は良好で術後30日に退院となった.摘出胎盤の病理組織検査で臍帯静脈内にフィブリンの層状構造内に血小板,好中球,赤血球,ヘモジデリン含有マクロファージが集簇した血栓が確認され,これが胎児血流異常やIUGRの原因と考えられた.ECTを行った時期と児の発育が停滞した時期が同じであることから,血栓形成の誘因にECTが考えられた.妊婦へのECTは十分なモニタリングと各科の協力の下で施行すべきである.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 289-289, 2007


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