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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
胎児異常(1)
臍帯血管腫の一例


斉藤 圭介1), 八木 瑞穂1), 長野 研二1), 榎本 紀美子1), 元木 葉子1), 鈴木 靖子1), 小山 麻希子1), 佐治 晴哉1), 小川 幸1), 高橋 恒男1), 平原 史樹2)
横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター1), 横浜市立大学産婦人科2)


 症例は29歳1経姙1経産(正常産1回).特記すべき既往歴なし.自然妊娠.妊娠24週の妊婦健診時に臍帯の一部に肥厚を認め,近医より妊娠27週で当センターに紹介となった.超音波検査にて胎児,胎盤ともに明らかな異常は認めず,臍帯の一部のみが径5cm程度に肥厚していた.臍帯血管は2本の動脈と1本の静脈であったが,臍帯肥厚部位の一部で,一側の臍帯動脈壁がhyperechoicかつ4mm全周性に肥厚していた.臍帯動静脈の血流には異常を認めなかった.肥厚部分のワルトンゼリーは全般的にlow-echoicで一部cystを含む網状エコー像であった.これらの所見から,この時点では臍帯血腫を最も疑った.初診時から子宮収縮を認めていたがCTGでは始終decelerationなく経過し,variabilityも良好であった.羊水は過多過少いずれも生じなかった.外来で週1回の頻度で経過観察を行った後,妊娠36週2日で選択的帝王切開を施行し,2182gの女児をApg 8/9で娩出した.母児ともに産後経過は良好である.病理組織検査結果は臍帯の一部での血管周囲の血管腫とワルトンゼリーの著明な浮腫であった.児の外表に血管腫は認めなかった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 291-291, 2007


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