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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
胎児異常(1)
妊娠22週未満に胎児臍帯ヘルニアと診断された例の検討


小澤 克典, 丸山 康世, 永田 智子, 長瀬 寛美, 石川 浩史, 山中 美智子
神奈川県立こども医療センター産婦人科


 【目的】臍帯ヘルニアは,染色体異常や合併奇形を伴う率が高く,最近は妊娠の比較的早期に診断されることが増えてきている.妊娠22週未満で診断された臍帯ヘルニアの胎児の転帰・予後を検討する.【対象・方法】1996年から2006年に当院で妊娠22週未満に胎児臍帯ヘルニアと診断した17症例の児について後方視的に検討した.【結果】全例が他院からの紹介であり,当科初診時の週数は妊娠12週3日から21週3日であった.人工妊娠中絶を選択したと推定されるのは8例,IUFDとなったのは妊娠12週と14週で各1例,当院で分娩となったのは7症例であった.この7例のうち,4例に合併奇形を認め,その内容は,それぞれ右腎欠損,左耳低形成,14番片親ダイソミー,重複大動脈弓であった.分娩週数は,32週が1例,36週が3例,残りの3例は38週であった.分娩方法は臍帯ヘルニアが比較的小さいと考えられた1例を除いて6例で帝王切開が選択された.初診時のヘルニア嚢のサイズはいずれも胎児体幹に比して大きかった.出生時のヘルニア嚢サイズは,6例で胎児期よりも大きくなって6〜8cmであったが,1例では妊娠20週の約5cmから出生時の約2cmまで縮小した.全ての症例で一期的な還納手術が可能であった.14番片親ダイソミー,重複大動脈弓を合併した2例では長期人工呼吸管理を要したが,それ以外の例では長期の人工呼吸管理を要した例はなかった.【考察】妊娠中期に比較的巨大と考えられた臍帯ヘルニアでも出生後は一期的な還納術が可能であった.臍帯ヘルニアの児の予後は,合併奇形の状態による影響が大きかった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 291-291, 2007


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