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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))
【一般演題】
良性卵巣腫瘍 高齢者に発症した膿瘍を形成した卵巣皮様嚢腫の一例
浅沼 亜紀, 村瀬 隆之, 青木 洋一, 高田 眞一, 山本 樹生
日本大学産婦人科
高齢者に発症した,ダグラス窩に膿瘍を形成した卵巣皮様嚢腫の一例を経験したので報告する.症例は82歳4回経産婦.高血圧,糖尿病を合併していた.下腹痛を主訴に前医内科を受診し,CTにて骨盤内に石灰化を伴う多房性嚢胞性腫瘍と腹水を認めたため,卵巣腫瘍を疑い当院に紹介された.イレウスも併発していたため即日入院した.CRPは14mg/dl,中心静脈栄養を開始した.MRIでは骨盤内に12cm大のfatty componentを伴う嚢胞性病変を認め,血中CA19-9は6840U/mlと高値を示した.入院後5週間でイレウス症状は改善し,糖尿病も安定したため,開腹手術を施行した.所見は,腸管が全体に腹壁,卵巣に癒着しており,右卵巣は10cm大の腫瘤と連続して,ダグラス窩に内容500mlの膿瘍を形成していた.卵巣皮様嚢腫が一部破綻し内容物が骨盤内に流出し,膿瘍形成したと推察した.手術術式は右付属器切除術と癒着剥離術,腹腔内洗浄を施行した.病理組織学的検査報告はMature cystic teratoma of ovary.consistent with fatty necrosis,peritoneum,intestine.であった.手術後は術後4日目より経口摂取を開始し,術後3週間で退院した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3)
296-296, 2007
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