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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))
【一般演題】
良性卵巣腫瘍 マンモグラフィー(MMG)にて病変が描出不能であった乳癌症例の検討
吉原 ちさと, 鈴木 康伸, 永光 雄造, 大淵 紫, 佐川 泰一, 齊藤 俊雄, 林 敏
船橋市立医療センター産婦人科
乳癌はわが国の女性が年間4万人罹患し,1万人が死亡する疾患であり,今後増加が予想される疾患である.日本女性の場合乳癌の罹患は30歳代後半から上昇し,40歳代にピークがある.乳癌の早期発見と死亡率の低下を目指し,2004年よりMMG併用検診が導入され,全国で視触診のみの検診はMMG併用検診に変わりつつある. しかし未だ受診者は数%に過ぎず,啓蒙活動とともに,検診従事者の充実が欠かせない.またマンモグラフィーは若年者に多い高濃度の乳房や病変が1cm以下など小さい腫瘤に対して所見に乏しいこともあり,今後超音波検診の導入については議論がされている.2002年から2007年6月までに当院にて乳癌と診断され手術を施行した451例のうち,23例(5%)がマンモグラフィーにて所見がみられなかった.年代別では,30歳代が4例(17.3%),40歳代が4例(17.3%),50歳代が6例(26.0%),60歳代以上9例(34.0%)であった.腫瘍径は2cm以下(T1)が13例(56.5%),2〜5cm(T2)が10例(43.4%)であり,組織型は乳頭腺管癌が8例(34.7%),硬癌11例(47.8%),その他4例であった. これらは超音波では描出が可能で,超音波ガイド下を含めた吸引細胞診によって診断された.若年者のdense breastに起因する偽陰性に限らずMMGに描出されない乳癌はあり,MMGの過信は禁物である. MMGにて病変が描出不能であった乳癌についてその特徴について検討し報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3)
298-298, 2007
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