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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
子宮外妊娠
MTX療法後の間質部破裂に対して腹腔鏡下間質部切除術を追加した反復子宮外妊娠の一例


小山 ひかり, 松見 泰宇, 大貫 裕子, 佐渡島 陽子, 竹村 由里, 村田 照夫, 西井 修
帝京大学医学部附属溝口病院産婦人科


 子宮外妊娠の治療には薬物療法,待機療法あるいは腹腔鏡下手術などの手術療法があるが,症例に応じて適切な治療法を選択するとともに治療効果を判定することが極めて重要である.今回我々は,MTXによる薬物療法後に腹腔鏡下卵管切除術を施行した患者の同側に認められた卵管間質部妊娠に対して,再度MTX療法を施行するものの間質部破裂を認めたため,腹腔鏡下間質部切除術を施行した症例を経験したので報告する.症例は29歳,1G0Pの患者で人工妊娠中絶の既往があるが開腹手術,クラミジア感染などの既往はなく,平成18年4月,自然妊娠にて妊娠成立.妊娠7週,不正性器出血を認めたため当科受診.超音波断層法にて卵管膨大部に胎嚢を認め,右卵管膨大部妊娠の診断でMTX療法を施行した.妊娠8週,尿中hCG値の下降を認めなかったため,腹腔鏡下右卵管切除術を追加した.平成19年2月,再度妊娠成立したが,超音波断層法,MRIにて径8mmの胎嚢を同側の間質部に認めた.尿中hCGが920mIU/mlと低く,明らかな理学所見も認めなかったため右卵管間質部妊娠の診断で再度MTX療法を施行した.投与1週間後,急激に強い下腹部痛が出現し間質部妊娠破裂の診断で同日腹腔鏡下右卵管間質部切除術を施行した.子宮外妊娠で薬物療法を選択する際はhCG値の推移とともに画像診断,理学所見を総合的に判断し厳重に経過観察を行い,必要であれば速やかに手術療法を追加することが重要であると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 301-301, 2007


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