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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
子宮頸癌
当科における妊娠中に施行した円錐切除術症例の検討


星野 正道, 青木 宏, 平川 隆史, 村田 知美, 中村 和人, 鹿沼 達哉, 峯岸 敬
群馬大学産婦人科


 妊娠中の子宮頸癌初期病変に対し,当科においては上皮内癌までは待機とし,微小浸潤が疑われる場合に円錐切除術を施行する方針としている.一方,妊娠中の円錐切除術は,術中出血量や切除断端陽性例の増加,産科的合併症の併発など問題点も多く,その施行に関しては慎重な検討が必要である.本検討では当科において妊娠中に円錐切除術を施行した症例に関して,頸部病変治療の状態,産科的予後を検討し,若干の文献的考察を加え報告する.〈方法〉当科で2001年から2005年までに妊娠中に円錐切除術を施行した5症例について紹介時と手術時の妊娠週数,術前・術後の病理診断,切除断端病変の有無,手術時の出血量,産科的合併症併発の有無に関して検討した.〈成績〉紹介時妊娠週数は11週から20週,手術時妊娠週数は17週から22週であった.術前診断は上皮内癌2例,微小浸潤癌3例,術後確定診断は高度異形成1例,上皮内癌2例,Ia1期1例,Ib1期1例であった.4例に切除断端陽性を認め,そのうち1症例に再発を認めたため,4年後に再度円錐切除術を施行した.術中の出血コントロールは可能で最多出血量200mlであった.全症例で術後一時的に子宮収縮抑制加療を行ったが,その後の切迫早産治療が必要な症例はなかった.全例自然経腟分娩正期産であった.〈結論〉本検討では産科的合併症を併発した例は認めなかった.一方,術前・術後の病理診断の不一致や切除断端の陽性,術後再発を認めたことが課題と考えられた.〈考察〉切除断端陽性となった要因として,円錐切除施行の妊娠週数が挙げられる.妊娠初期に子宮頸部細胞診スクリーニングを行い,適切な時期に円錐切除術を施行することが重要であると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 303-303, 2007


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