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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
子宮頸癌
初回治療10年後に小腸に再発をきたした子宮頸部腺癌IIb期の1例


松葉 悠子1), 大石 元1), 荷見 よう子1), 中川 俊介1), 大須賀 穣1), 八杉 利治1), 矢野 哲1), 武谷 雄二1), 太田 聡2), 高澤 豊2), 深山 正久2)
東京大学医学部付属病院産婦人科1), 東京大学医学部付属病院病理2)


 子宮頸癌の小腸転移は非常に稀である.今回我々は,子宮頸癌IIb期に対して広汎子宮全摘と術後放射線療法を行い,10年後にイレウスを呈し,子宮頸癌の小腸再発と診断された症例を経験したので報告する.症例は57歳,2経妊2経産,既往歴および家族暦に特記すべき事項はない.47歳時に,子宮頸癌IIbの診断で,広汎子宮全摘術,両側付属器切除術,骨盤内リンパ節郭清術,傍大動脈リンパ節郭清術を施行した.術後診断,病理はそれぞれ子宮頸癌IIb(pT2bpN0M0),Adenocarcinoma endocervical typeであった.後療法として全骨盤照射を行い,外来経過観察をしていた.初回治療から10年後に,腹痛を自覚し近医にてイレウスと診断されイレウス解除術を施行された.回盲部から30cm口側の回腸とさらに25cm口側の回腸とが癒着しており,肛門側の漿膜側に3.5×3.0cm大の結節性病変があった.高分化型管状腺癌が漿膜下層から固有筋層に浸潤しており,免疫組織化学検査ではER(+),PgR(−),CK7(+),CK20(−)であった.その浸潤様式と免疫染色により子宮頸癌の小腸再発と診断された.術中所見やCTでは明らかな腹膜結節,腹膜播種の所見はなかったが,腹腔内に癌の遺残は十分に考えられたため,TJ療法を6コース施行する方針とし,現在もTJ療法継続中である.小腸再発という点においても,遅延性の再発という点においても非常に稀な症例であり,文献的考察を含め報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 305-305, 2007


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