|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第114回学術集会(平成19年10月14日(日))
【一般演題】
悪性卵巣腫瘍(1) 再発を繰り返した卵巣境界悪性腫瘍で,最終的に卵巣癌に移行した1例
拝野 貴之1), 斎藤 元章1), 田中 邦治1), 石渡 巌1), 中島 邦宣1), 小林 重光1), 中林 豊1), 安田 允1), 田中 忠夫2)
東京慈恵会医科大学附属第三病院産婦人科1), 東京慈恵会医科大学附属病院産婦人科2)
今回,我々は再発を繰り返し,最終的に卵巣癌に移行した卵巣境界悪性腫瘍の1症例を経験したので報告する.症例は,34歳の0経妊0経産,腹部膨満感にて前医を受診,卵巣腫瘍の診断にて当院紹介受診となった.2004/9に右付属器摘出術施行,術後病理診断はmucinous borderline malignanncy,pT1aNxMoであった.以後,外来経過観察中であったが,2006/4頃より左卵巣腫瘍を認め,次第に増大傾向を示したため,2006/7卵巣腫瘍摘出術を施行した.術後の病理診断は前回と同様のmucinous borderline malignanncy,pT1aNxMoであった.6ヶ月後の検診にて,10cm大の卵巣腫瘍を認め,また腫瘍マーカーの著明な増大を認めた.MRI診断では,11cm大の卵巣悪性腫瘍,腹水の貯留,癌性腹膜炎が疑われた.2007/3左付属器摘出術+大網切除術を施行した.術後の病理診断は,Mucinous adenocarcinoma,pT1aNxMo,腹水classV,stageIc.後療法として化学療法(TP)を施行.現在,4コースを終了したところである.再発を繰り返す境界悪性腫瘍摘出後に発生した卵巣癌の一例に対し,若干の文献的考察を加えその詳細を報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3)
308-308, 2007
|