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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))
【一般演題】
悪性卵巣腫瘍(3) 肝転移を伴った卵黄嚢腫瘍の一例
太田 武雄1), 長野 宏史1), 池田 申之2), 永田 理恵1), 時田 佐智子1), 中安 ルナ1), 高橋 晃1), 中村 靖1)
順天堂大学医学部附属練馬病院産科・婦人科1), 産科婦人科舘出張佐藤病院産婦人科2)
【緒言】卵黄嚢腫瘍は若年に発症する比較的稀な胚細胞性腫瘍である.今回我々は肝転移を伴った卵黄嚢腫瘍の一例を経験したので報告する.【症例】27歳の未産婦.突然の腹部膨満感で当院消化器内科を受診後に当科に紹介された.診察および超音波検査上で多量の腹水と子宮上方に径10cmの充実性腫瘤を認めた.また腹膜播種と思わせる血流豊富な腫瘤像も多数認められた.CT検査では卵巣の充実性腫瘍と腹膜播種病変に加え肝転移巣が認められた.血液検査ではAFPが237465.7ng/mlと異常高値であり,卵黄嚢腫瘍が考えられた.PEP療法2コース終了後のCTでは腫瘍は縮小し,腹水はほぼ消失となり肝転移巣も消失し,さらに2コース追加したところ腹水および腫瘍は消失,AFPも正常化していたため,開腹手術をおこなった.腹腔内には播種病変が多数残存しており,単純子宮全摘出術および両側附属器切除術を施行した.術後に追加化学療法2コースしたが,副作用と思われる肺機能の低下を認めたために,TIP療法に変更して現在経過観察中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3)
311-311, 2007
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