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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
悪性卵巣腫瘍(4)
卵巣原発扁平上皮癌の一例


長谷川 瑛, 西 洋孝, 藤東 淳也, 小林 由香利, 中山 大栄, 山澤 功二, 寺内 文敏, 井坂 恵一
東京医科大学婦人科


 近年,卵巣癌の発生素地としての子宮内膜症に注目が集まっているが,その原因や疫学には未だ不明な点が多い.子宮内膜症より発生する卵巣癌は,明細胞腺癌や類内膜腺癌がほとんどであるが,今回,我々は子宮内膜症より発生したと思われる扁平上皮癌を主体とした卵巣癌を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.症例は45歳,0経妊.左卵巣子宮内膜症性嚢胞を認め,平成16年4月,43歳時に腹腔鏡下子宮内膜症病巣除去術を施行.経過観察中の平成17年11月に左卵巣子宮内膜症性嚢胞の再発を認めた.増大傾向を認めたため再手術を予定していたが,平成18年5月より発熱,同年6月には下血を訴えた.MRI検査にて子宮内膜症性嚢胞の感染を疑い,抗生剤を投与したところ炎症所見は軽快した.下部消化管内視鏡検査ではS状結腸の狭窄を認め,S状結腸の異所性子宮内膜症を疑っていた.同年8月の腹腔鏡下の再手術時に腫瘍の破綻を認め,内容がほとんど充実性成分であったため迅速診断を行ったところ,移行上皮癌との結果であった.開腹による卵巣癌標準術式に加え,腫瘍がS状結腸に固着し剥離困難であったためS状結腸切除術を追加した.永久標本による病理学的診断は,一部に移行上皮癌を認めるがほとんどが扁平上皮癌であり,後療法としてパクリタキセル+カルボプラチン(TC)療法を6コース施行した.外来にてフォロー中であったが,現在骨盤内の再発を認め今後化学療法を予定している.今回,非常にまれな奇形種を発生素地としない卵巣原発扁平上皮癌を経験したが,この腫瘍はTC療法に抵抗性を認めた.また,45歳以上の子宮内膜症の症例には,癌化を念頭に注意深い観察が必要と思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 314-314, 2007


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