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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))
【一般演題】
子宮体癌(1) PETが圧迫骨折の鑑別診断に有用であった子宮体癌の1例
竹島 望, 中島 瑠美子, 田中 躍, 提坂 敏昭, 林 雅敏, 五來 逸雄
国立熱海病院産婦人科
PETは癌の早期発見,転移・再発の判定に有用である.今回我々は子宮体癌の骨転移による圧迫骨折と骨粗鬆症による圧迫骨折の鑑別診断にPETが有用であった1例を経験したので報告する.症例は74歳女性.1経妊1経産.閉経50歳.既往歴に骨粗鬆症がある.2005年3月7日不正出血にて来院し,子宮内膜細胞診にてclassV,内膜生検にて類内膜腺癌だったため,子宮体癌の診断にて準広汎子宮全摘出術+骨盤リンパ節廓清+両側付属器摘出術施行.術後診断はIIIa期pT3aN0M0であり,4月22日より化療開始.paraCAP療法3コース終了時点で著明な骨髄抑制が認められたため,7月19日からTJ療法3コースに変更.計6コース終了後,経過観察されていた.2006年10月頃より腰痛が出現.椎体側面撮影でTh7の扁平椎がみられたため当初は骨粗鬆症による圧迫骨折と診断された.しかし症状の改善に乏しかったため行われたMRI・骨シンチにて骨転移が疑われた.放射線治療目的に他院へ紹介受診し30Gyの照射が行われた.他院で確認のために行われたPETではTh7に骨転移を示す集積が認められた.その後症状は落ち着いていたが,2007年4月頃より前回と違う部位の腰痛と右下肢の痺れが出現.MRIにてL3の圧迫骨折像がみられたが,PETにて同部位に集積はみられず骨粗鬆症による圧迫骨折と診断された.また前回認められたTh7の集積は消失しており,Th7の骨転移は放射線治療によって軽快していると考えられた.本症例ではPETが婦人科悪性腫瘍患者の圧迫骨折の鑑別診断,骨転移の放射線治療効果判定に有用であることが示された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3)
316-316, 2007
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