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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
悪性腫瘍・その他(3)
Endometrial stromal sarcoma(ESS),low gradeの2例


中村 美輪1), 千田 裕美子1), 山地 沙知1), 金子 透子1), 伊澤 美彦1), 神山 正明2)
松戸市立病院産婦人科1), 君津中央病院産婦人科2)


 子宮内膜間質肉腫はまれな疾患で,画像検査にて子宮筋腫と類似した所見を示すため,術後病理検査ではじめて診断される場合が多い.今回我々は,術前あるいは手術時に子宮筋腫と診断され,術後病理検査にて子宮内膜間質肉腫(低悪性度)と診断された2症例を経験したので文献的考察を加え報告する.症例1:50歳女性.腹部腫瘤を自覚し,2006年4月18日当院受診.画像検査にて約15cm大の骨盤内腫瘤をみとめ,卵巣腫瘍の診断.2006年5月15日に腹式単純子宮全摘術および両側付属器切除術を施行した.子宮前壁に約15cm大の腫瘍をみとめ肉眼的に子宮筋腫を疑ったが,病理検査では子宮内膜間質細胞に類似した腫瘍細胞が充実性に増生していた.核異型は軽度で細胞分裂像は2/10HPFであり,ESS,low gradeの診断となった.浸潤は筋層の1/2をやや超える程度で明らかな脈管侵襲や頚部,両側付属器への浸潤はみられず,切除断端は陰性であった.術後は経過観察を行っているが,再発病変はみとめない.症例2:49歳女性.腹部膨満感を主訴に当院受診.画像検査にて約9cm大の子宮体部腫瘍をみとめ,子宮筋腫の診断にて腹式単純子宮全摘術を施行.子宮体部後壁より発生する約10cm大の腫瘍がみられ肉眼的に子宮筋腫を疑う.病理検査では子宮内膜間質細胞に類似した腫瘍細胞がみられ,平滑筋束間に境界不明瞭な浸潤はみられるも脈管侵襲や頚部,両側付属器への浸潤はみとめず,切除断端は陰性であり,核分裂像の増多はみられずESS,low gradeの診断となった.術後は経過観察を行っているが再発病変はみとめない.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 324-324, 2007


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