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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))
【一般演題】
子宮筋腫 子宮筋腫に対する術前GnRHa療法に関する患者意識の調査
小林 優子, 黒田 恵司, 熊切 順, 菊地 盤, 北出 真理, 武内 裕之, 竹田 省
順天堂大学産婦人科
【緒言】当科では,子宮筋腫に対する腹腔鏡手術の前治療としてGnRHaを使用している.インターネットをはじめとする情報の氾濫によりGnRHa療法の副作用に関する不安の声が多く聞かれる.そこでGnRHa(リュープロレリン1.88mg)に関する患者の意識が治療前後でどのように変化したかをアンケートにより調査した.【方法】子宮筋腫の診断で,腹腔鏡下手術を予定している患者に対しアンケートを配布し,退院までに無記名で回収した.【結果】GnRHa療法に関して,60%の患者において受診前にある程度情報を得ており,メリットとデメリットに関してはほぼ同等の認知度であった.治療前,GnRHa療法に対し63.3%が積極的に使用したいとコメントした.副作用は93.3%に認められ,約半数が日常生活に支障をきたしたとしている.一方,治療効果と副作用との比較では,治療効果が副作用を上回ったと感じたのが60.7%であった.また,GnRHa療法後に腹腔鏡手術が完遂できたことに満足しているのが78.5%と増加しており,使用前と使用後の意識の変化が見られた.【まとめ】今回のアンケートより,副作用の頻度は高いものの,その程度は治療効果を上回るものではなく,十分なインフォームドコンセントのもとに行う術前GnRHa療法は患者の不利益にはならないと思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3)
329-329, 2007
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