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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
感染症
麻疹感染による羊水過少,子宮内胎児発育遅延から胎児死亡を来たした一例


竹中 将貴, 和田 誠司, 内野 麻美子, 上出 泰山, 川口 里恵, 杉浦 健太郎, 大浦 訓章, 恩田 威一, 田中 忠夫
東京慈恵会医科大学産婦人科


 本邦では他の先進国に比較し麻疹ワクチン接種率が低いため,麻疹患者が年間少なからず,報告されており,特に今年は10歳から20歳の感染増加が社会問題となった.妊娠中の感染は流早産,胎児奇形症候群,また分娩時期では新生児麻疹が問題となる.今回我々は胎児死亡が麻疹の胎内感染によると思われた一例を経験したので報告する.症例は22歳,0経妊0経産,麻疹の既往・ワクチン接種歴はなし.妊娠19週0日までは母児共に順調で,胎児発育,羊水量も順調であった.妊娠19週4日,麻疹患者と接触,妊娠21週2日より発熱,発疹が出現した.典型的な麻疹経過をたどり,麻疹IgM抗体陽性にて確定診断された.その後母体症状は自然軽快した.妊娠26週6日に胎児発育遅延,羊水過少の精査目的にて当院へ紹介受診となった.胎児の超音波所見は,推定体重545g(−3.3 SD),羊水はほぼ消失し,胎児膀胱の描出は不可能であった.しかし,胎児腎臓は両側描出可能であり,他の胎児奇形は認めなかった.また,胎児MRIで脳内に膿瘍様の所見を認めた.以後経過観察としていたが,羊水は増加することはなく,推定体重は妊娠31週1日で751(−4.4 SD)と発育遅延も進行していった.妊娠33週6日切迫症状にて来院,しかし来院時にすでに児は死亡していた.同日に児は娩出され,体重650g,身長34cm,明らかな体表奇形は認めなかった.死胎児解剖の承諾は得られなかったが,胎盤絨毛組織に麻疹ウイルスRNAを検出したため麻疹の胎内感染が考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 336-336, 2007


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