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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))
【一般演題】
感染症 HBV母子感染予防対策の比較検討―厚生省方式,千葉大方式,獨協医大方式―
林田 志峯, 稲葉 憲之, 大島 教子, 西川 正能, 岡崎 隆行, 庄田 亜紀子, 根岸 正実, 稲葉 未知世, 深澤 一雄, 渡辺 博, 高見澤 裕吉
獨協医科大学産婦人科
【目的】HBV母子感染予防対策厚生省方式の省力化と対策漏れを防ぐべく考案された二方式(1)千葉大方式(Inaba方式),(2)獨協医大方式(新Inaba方式)の比較検討【方法】臨床治験に基づいた千葉大方式(G0・V0:生後24時間以内,V1・V3:生後1・3ヶ月)(厚生労働科学研究大戸班稲葉分担班)の再検討と,獨協医大方式(G0・V0:生後24時間以内,V1:生後1ヶ月)の生後6・12ヶ月の児のHBs抗原・抗体等を測定し(文科省科学基盤研究(B)海外),三方式の省力・安全・経済性と対策漏れを比較検討した.【成績】(1)厚生労働科学研究大戸班稲葉分担班の成績:千葉大方式135症例のHBs抗体獲得率95.6%,キャリア化率3.0%,有害事象発生率1.7%の全てにおいて,厚生省方式と有意差を認めず,千葉大方式における対策漏れはゼロであった(厚生省方式はキャリア化児の30%).(2)文科省科学基盤研究(B)海外の成績:現在,中国大連医科大学,ウガンダマケレレ大学にて共同研究中だが,当科において6例がエントリー,うち4例が6ヶ月以上フォロー中であり,キャリア化防止率は100%,ドロップアウトはゼロである.【結論】千葉大方式・獨協医大方式は共にHBs抗体獲得率,キャリア化防止率,有害事象発生率において厚生省方式と有意差を認めず,さらに,省力・安全・経済性,対策漏れ防止を考慮すると,推奨すべき方式である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3)
336-336, 2007
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