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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))
【一般演題】
良性腫瘍 Atypical polypoid adenomyomaの3例
錦見 恭子, 大見 健二, 西脇 哲二, 岩崎 秀昭
千葉市立青葉病院産婦人科
atypical polypoid adenomyomaは比較的まれな良性腫瘍であり,子宮体部類内膜腺癌との鑑別を要する疾患である.今回我々はatypical polypoid adenomyomaを3例経験したので報告する.【症例1】28歳女性.168cm,80kg.0経妊.3ヶ月前より続く不正出血を主訴に当科受診.超音波,MRIにて子宮体部内腔に約3cm大の腫瘍を認めた.子宮鏡では腫瘍の茎部分は確認できず,内腔全面から発生しているように見えたため,子宮内膜全面掻破術を施行した.術後4ヶ月経過し再発徴候はない.病理所見:複雑な分岐・迂曲をともなう内膜腺が増生し,cribriform状の構造が見られる部分もあった.またmorulesが多数みられた.一部に線維性の間質が束状にみられた.【症例2】49歳女性.2経産.159cm,62kg.不正出血,過多月経を主訴に当科受診.膣鏡診にて外子宮口より約3cm大の腫瘍が突出しており筋腫分娩のように見えた.また超音波上,子宮体部に筋腫を認めた.血液検査ではHb6.2であった.膣式子宮全摘術を施行した.術後3年経過し再発徴候はない.病理所見:異型のある核を持った内膜腺細胞の増生を認め,周囲にはmorulesをともなっていた.間質には平滑筋様細胞の増生がみられた.【症例3】37歳女性.0経妊.166cm,95kg.1ヶ月前より継続する不正出血を主訴に当科受診.膣鏡診にて外子宮口より約2cm大の腫瘍が内子宮口付近を基部として分娩されていた.膣式に腫瘍を捻徐して摘出し,続いて子宮内膜掻破術を施行した.術後6年経過し再発徴候はない.病理所見:分岐・迂曲をともなう内膜腺が増生し,間質は平滑筋様細胞の増生が著明であった.またmorulesが多数みられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3)
338-338, 2007
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