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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【ワークショップ2】
放射線性腸炎による難治性イレウスに対する磁石圧迫吻合術(山内法)の試み


山内 栄五郎
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院放射線科部長


 磁石圧迫吻合術は吻合しようとする臓器内に強力な永久磁石をそれぞれ1個づつ入れ吸着させ合い,時間とともに自然に吻合を形成しようとする非手術的療法(Interventional Radiology;IVR)のことである.この手法を思いつくにいたったきっかけは今から14年前の小児の貼付用磁石治療器具(ピップエレキバン)の誤嚥による腸閉塞症例において,吸着しあった磁石同士の部分にきれいな吻合が形成されていたという事実に基づいている.
 この手法によれば全身麻酔,開腹手術せずにさまざまな臓器吻合を作ることが可能であり,臨床のさまざまな分野において応用可能なことから各科より広く注目を浴びてきている.今までに既に臨床例で200例以上の経験を持っており,その吻合形成成功率も90数%と極めて高く満足行くものである.
 磁石圧迫吻合術は大きく腸管腸管吻合と胆管腸管吻合の2つに大別されるが,子宮頸癌放射線治療後の難治性イレウスに対しては,上行結腸と空腸末端とを吻合する腸管腸管吻合を行いバイパスを形成するようにする.
 今回は,基本的な磁石圧迫吻合術の概念の他,この手法により子宮頸癌放射線治療後の難治性イレウスを解除した症例を中心に提示し,今後のこの領域における展望,解決すべき問題点などを皆さんと一緒に考えて行きたいと思う.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 109-109, 2008


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