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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
子宮内膜症・子宮腺筋症
大量腹水を伴い,PET陽性で診断に苦慮した内膜症性嚢胞の一例


佐近 普子, 花岡 由里子, 千賀 彩加, 保倉 宏, 本道 隆明, 木村 薫
厚生連篠ノ井総合病院産婦人科


 子宮内膜症の経過中に,腫瘤増大と大量腹水を伴いPETで異常集積を示したため,診断に苦慮した一例を経験したので報告する.症例は41歳,未経妊.月経周期は28日型,整,月経痛は中等度.2001年3月挙児希望され当科初診.この時,内診,経腟超音波検査にて,異常所見はなかった.検査施行後,ARTを開始した.ART治療中,2002年2月経腟超音波検査にて,左卵巣に径62×49mmの内部砂粒状の嚢胞を認めた.明らかな充実部分はなかった.CA125は48IU/lであった.MRIにて,内膜症性嚢胞と診断した.以後,腫瘍が増大し,手術療法を検討したが,患者の希望により保存療法とした.2006年12月から通院を中断していた.2007年10月,人間ドックにて腹水を指摘され,当科受診.7月から腹部膨満感を自覚し,体重は13kg増加していた.超音波検査,腹部CTにて,大量の腹水と骨盤内に径180mmの嚢胞性腫瘤を認めた.右卵巣に径67mmの一部充実部分を含む多胞性腫瘤を認めた.CA125は1620IU/lであった.PET検査にて,骨盤内腫瘍と腹膜に異常集積があった.卵巣悪性腫瘍,腹膜播種と診断し,開腹手術を施行した.腹水22500ml認め,骨盤内腫瘤は,左卵巣で成人頭大,右卵巣腫瘤は,鶏卵大,内容はともに茶褐色で,充実部分はなかった.両側附属器摘出術を施行した.術後の病理診断は,endometriosisで,右卵巣の一部に紡錘形細胞が束上に配列し,その周囲に内膜症の所見があり,腺筋腫の要素があった.術中,術後は,循環不全,血栓塞栓などの合併症は発症しなかった.現在,腹水は消失し,外来経過観察中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 128-128, 2008


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