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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
奨励賞候補演題II
子宮頸部上皮内腫瘍に対するレーザー蒸散術を施行した269例の検討


西尾 浩, 藤井 多久磨, 仲村 勝, 村上 功, 大野 暁子, 岩田 卓, 塚崎 克己, 青木 大輔, 吉村 泰典
慶應義塾大学医学部産婦人科


 【目的】近年増加傾向にある若年者の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)に対して,治療後に不妊や早産などの妊娠と関係する合併症を考慮する必要があり,より侵襲の少ない治療法が望ましいと考えられる.今回我々は,組織診により確定したCINに対して当院で行っているCO2レーザー蒸散術の遺残率・再発率などの治療評価を行った.【方法】2000年12月から2006年11月までに蒸散術を施行した417例のうち,追跡可能であった269例の解析を行った.当院でのレーザー蒸散術の適応は,狙い組織診でCIN3まであり,細胞診・コルポ診に不一致がなく,病変の範囲が限局しているものとしている.術後6ヶ月をこえての病変(細胞診にてHSIL以上,または組織診にてCIN3以上)が確認されたものを「再発もしくは進展」と定義し,6ヶ月以内の病変の出現を遺残とした.【成績】患者平均年齢は,36歳(19歳〜70歳)であり,平均観察期間は26.1か月であった.組織別症例数の内訳は,CIN1が17例,CIN2が100例,CIN3が152例であった.術後の再発率は,11.8%(32/269例),遺残率は,6.7%(18/269例)であった.また,追加治療を行った症例は,17.8%(48/269例)であった.組織別の遺残率・再発率は,CIN1でそれぞれ6%(1/17例),0%,CIN2で3%(3/100例),10%(10/100例),CIN3で9.2%(14/152例),13.1%(20/152例)であった.【結論】レーザー蒸散術は,CIN1〜3に対して治療的な効果があるだけでなく,特にCIN1では病変の進展を防ぐ予防的な効果があり,軽度の侵襲で行うことのできる有用な治療法であると考えられる.一方,CIN2,3では遺残・再発率共に低くないことから,十分なインフォームドコンセントが必要と考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 130-130, 2008


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