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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
奨励賞候補演題II
婦人科疾患における術前の静脈血栓塞栓症の危険因子に関する検討


吉岡 範人, 鈴木 直, 嶋田 彩子, 名古 崇史, 矢作 奈美子, 大原 樹, 小林 陽一, 木口 一成, 石塚 文平
聖マリアンナ医科大学産婦人科


 【目的】産婦人科領域における周術期静脈血栓塞栓症(VTE)の発症数は,整形外科,消化器外科についで3番目に多いと報告されている.これまでに我々は,悪性腫瘍,BMI25kg/m2以上,輸血が婦人科疾患における術後のVTE発症の独立した危険因子となることを報告してきた.術前VTE症例の約半数は無症状であり,術前VTE発症の危険因子の抽出が重要である.今回我々は,手術適応のある婦人科疾患の術前VTE発症に関わる危険因子について検討を行った.【方法】2005年1月〜2007年12月までの全手術症例1053例に対して,VTEの危険因子を検討するために,年齢,BMI25kg/m2以上,既往歴,婦人科癌,腫瘍径10cm以上,20cm以上の各項目で単変量解析及び多変量解析を行った.さらに,全良性症例760例についても同様の方法で解析を行った.【結果】全手術症例1053例中術前に診断されたVTE症例は16例であり,その内訳は,悪性症例が14例(卵巣癌13例,子宮体癌1例),良性症例2例であった.単変量解析の結果,55歳以上,卵巣癌,腫瘍径20cm以上,VTE既往の項目が術前のVTE発症の危険因子として抽出された.そこで,これらの因子を用いて多変量解析を行った結果,卵巣癌と腫瘍径20cm以上,VTE既往の3項目が独立した危険因子として抽出された.一方,良性症例における単変量解析では,年齢55歳以上,腫瘍径20cm以上,VTE既往,内膜症性嚢胞が危険因子として抽出された.【まとめ】婦人科疾患において,年齢55歳以上,20cm以上の腫瘍または卵巣癌に対して,また,良性症例における20cmを超える内膜症性嚢胞が疑われる症例に対しても術前にVTE発症の危険性を考慮した十分な精査の施行が重要であると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 131-131, 2008


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