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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
手術・その他
子宮単純全摘術と子宮腟上部切断術の比較検討


黒田 香織, 岡嶋 祐子, 大川 玲子
国立病院機構千葉医療センター産婦人科


 【目的】良性疾患に対する腹式子宮摘出手術に子宮全摘術(以下ATH)と子宮腟上部切断術(以下SVH)がある.手術の安全性,簡便性はSVHが優れているが,子宮頚癌発生の可能性を残すなどの理由により現在ATHが主流となっている.しかし,解剖学的な見地から骨盤底機能や性機能などを考慮して,子宮頸部の温存は再び注目されている.当科では近年,子宮腟上部切断術を選択肢として提示し患者の希望により行ってきたが,今回子宮頸部温存の意義を検討するため手術時の諸要素と術後患者へのアンケート調査によりSVHとATHの比較検討を行った.【方法】対象は2004年1月から2007年9月までに当院で行ったATH106例,SVH40例で,全症例の手術記録を検討した.また,アンケート調査(回答時の全身状態,骨盤底機能,性機能,出血について質問)を郵送,選択記名式で行い,ATH61例(57.5%)(49.0±4.6歳),SVH23例(57.5%)(47.3±4.7歳)より回答を得た.【結果】手術時間(分)はATH例121.7±39.6,SVH例85.0±21.3,出血量(g)はATH例362.0±286.3,SVH例178.4±183.2で,両者ともにSVH例がATH例に比較し有意に少なかった(P<0.01).アンケート調査では,両者に有意差のある項目はなかったが,排尿機能悪化の頻度はSVH例が少ない傾向であった.性機能については,術後の性交回数の変化に差はなかったが,性交痛や性感,腟の潤い,オルガズム,パートナーの感想に関し,SVH例が良好であった.その他の術後の症状では,月経様の少量出血がSVH5例に認められた.【考察】SVHは現在,ATHに比べ選択される頻度は少ないが,低侵襲性,術後機能保持の点から良性疾患に対しては充分に適用を検討されるべき術式であると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 133-133, 2008


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